高校生の性被害:デートレイプアンケート

毎日新聞 教育ニュース
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20040728k0000m040087000c.html


女性のためのアジア平和国民基金」から委託されて昨年11〜12月、東京と九州の公私立計12校にアンケート用紙を配り、2346人(女子1463人、男子883人)から回答を得た。

 セックスを無理強いされた経験は、未遂が女子の13%(男子は3%)、既遂は5%(同2%)に上った。このうちどれくらいが刑事事件になったのかは不明。既遂被害を受けた女子の相手(複数回答)は恋人36%、知り合い35%、友達30%の順で、知らない人は12%。被害場所は相手の家と自宅で7割近くを占めた。

 野坂代表は「デートレイプを起こさせないためには、教育現場での指導やメディアでの不断の啓発が不可欠」と話している。

以前から、女性のレイプ被害の大半が、顔見知りの男性もしくは性行為をしていない恋人であるという社会学の性行動に関するデータは多く出されている。
デートレイプというのは、『男女双方が付き合っている場合であっても、女性がセックスを行う意志がなくデートに行っている場合に男性側が一方的にセックスを強要するレイプ行為。または、友人知人とドライブや食事に行く目的で誘いに応じたのに、男性側が一方的にドライブや食事の後のセックスを見込んで、それを強行的に実施するレイプ行為』と定義される。

また、日本人は欧米語の語感を軽薄に解釈する傾向があるが、レイプとは無論強姦の事であり、強姦という文字表記のほうが事態の深刻さを伝えるには適切かもしれない。
しかし、問題の中心が、女性の拒否を無視して犯罪としての強姦行為に及ぶ品性の低劣な男性側にあることは当然としても、性行為がどのような情況で強制されやすいかについて無思慮・無防備であるとするならば女性側にも問題がないとは言えない。

特に10代の思春期の男性や20代前半の男性の性欲動は非常に強く、『女性と交際する事=その女性と継続的なセックスをする権利』と考えているお気楽な性欲中心の男性もかなりの部分いるということは覚えておく必要があるというかある程度常識なのかもしれない。

そういった性欲に生活の全般を支配している男性の行動メカニズムは至って単純であり、自分の性的欲望を満たすに足る容姿やスタイルの持ち主であれば誰でもいいという前提の元、とりあえずドライブや食事に誘い出して二人きりの時間や二人きりの密室の情況を作り出すことに全精力を傾ける。

最終的な目標は、会話や団欒ではなく、性行為にあるのだから、他者の視線や仲裁が入らない密室的な情況と暗がりに沈む時間帯を好むのである。
この場合、男性と女性の思惑に違いが出てくるのは、『女性は二人きりの情況が出来ても、おしゃべりしたりビデオ見たりしていたいな』と思っている場合であっても、男性側はもう二人きりになった瞬間に性的な妄想を肥大させ『自分の部屋にまで付いてきたんだから、当然、セックスを承諾してくれてるんだな。早速、キスからしてみるか』というような考えの方向に変容してきている。

とりあえず、セックスを積極的にしたいわけでもないけど、相手が求めるならしてもいいかな程度の気持ちがない場合、絶対にセックスはしたくないと考えている場合には、男性と二人きりになる情況と時間を減らして、早い時間に切り上げて帰ることが必要だろう。

学校での性教育の実施は勿論、重要なのだが、インターネットや雑誌・テレビには性欲を強化して情欲を過度に刺激する情報が溢れかえっていて、性教育の生真面目で正統派の意見はなかなか少年少女の耳には届かない。
現代の恋愛に関する価値基準の大半は、『かっこいい・かっこ悪い・かわいい・かわいくない・はやっている・はやっていない』という表層的な価値観からまず第一歩を踏み出していく。
表層的な魅力から入った場合には、二人の間に残されているのは、性的行為の快楽や刺激だけしかなくなる場合も多い。また、それだけが目的で女性に近寄る男性もかなりの部分いるだろうし、一部の出会い系サイトはその目的のみに特化して若年世代を誘惑している(苦笑)

いずれにしても、自分の身体と精神は自分の知識と注意・警戒で守るという基本姿勢を持って、本当にデートレイプ被害に遭いたくないと思っている人がデートレイプに遭わないように祈るばかりである。
ちなみに、夫婦間のセックスでも相手側の同意がないときに強引にセックスをすることは、家庭内レイプというものになり、ドメスティック・バイオレンスの一つになることにも注意が必要だろう。

男性側も、女性が本当にセックスを望んでいるのか望んでいないのか、本当に拒否しているのか中途半端な拒絶なのかを見分ける繊細な感受性と対人関係スキルを磨いて欲しいものである。
頭と身体のバランスのとれた人間が増えることが現代社会に求められている。
そのバランスが崩れている為に政治・経済・産業・司法・教育などの分野で、学歴や職歴では優れていても、色々な事件や犯罪を起こす情けない大人が増えている・・・子どもの道徳心の無さを胸を張って指導できる大人が確かに減っているのは嘆かわしい。
そういう僕も最低限の倫理道徳は守るが、日常生活では結構いい加減である・・・まぁ、他人の身体や精神を傷つけるような行為だけは、別にしたいとも思わないが。