台風接近。死者の声を聞く監察医

最近、ウィトゲンシュタインに関する書籍をぱらぱらと読んでいるので、しばらく備忘録として分析哲学ウィトゲンシュタインについて断片的に書いていこうと思う。
断片じゃなくて、体系化された論理学を書いて欲しいという意見もあるだろうけど・・・そこまで論理学に精通してもいないし、興味の関心が絶えず揺れるんで無理かもしれない。

今夜は台風が南東の四国あたりから接近していて、九州も風が少しずつ強度を増して、いつもの生暖かい不快な風ではなく、清涼な心地良い風が吹き抜けている。
今夜はクーラーなしで読書と睡眠がとれそうだな・・・何となく台風に感謝したい気持ちになる。
台風による災害や被害は心配だけど、僕の住んでいる福岡県の都市部では壊滅的な被害が出る事はまずないのです。
山間部や河川の近くの地域の人たちは、十分に台風の動向と被害には気をつけて下さい。

医学の皮膚科学と免疫学、ステロイドの効能と副作用を巡る事柄にも興味を持って、文献を流し読みしているが、免疫システムは実に巧妙で複雑だ。
僕は、医師ではないが、現在大勢の人を悩ましている慢性疾患のほとんどは、免疫機能障害と自律神経失調症に関連していると考えてほぼ間違いない。それらは遺伝的素因以上に、毎日の生活習慣が絡んでいる問題なので、一朝一夕には治らないのだが、薬剤や特別な治療を必要とするものでもない。

特にリュウマチなどで安易な化学的療法や外用剤を使用することは控えたほうがよい。
アトピー性皮膚炎も慢性化した成人型アトピーの場合には、ステロイド外用剤は抗炎症作用よりも起炎症作用が強くなり、皮膚の脆弱化をもたらし、免疫機能を抑制して悪循環を引き起こすので要注意である。

ウイルスとか細菌とかの感染、怪我や骨折、遺伝性疾患など医学的治療が必要な疾患と生活習慣病や免疫機能不全などに属する医学的治療が反対に害悪になる慢性的な疾患とがあるという考えに、僕は個人的感想として至っている。
病気と治療の考え方や信念は人それぞれだが、自分の頭で考えない、情報を取り入れることもしないで医師と病院に治療を丸投げして、医療行為を全く警戒せず監視しないことはある意味で自分の生存の主体性の放棄なのかもしれない。

人間の生死が日常的に交錯する医療現場に関する事柄もおいおい考えていきたい。
しかし、僕の関心は治療そのものよりも生理学的知識や解剖学的な人間理解に興味があるので、その思索は切れ切れになるだろう。

上野正彦の書いた『死体は語る』『監察医が見た死体の涙』『死体は知っている』など法医学者の書いた書籍には面白いものが多い。
監察医や法医学者は、生きている肉体以上に、死んだ肉体は饒舌であり雄弁であるという。
死体に対する嫌悪や恐怖を乗り越えて、科学的考察と分析のメスを死者に加える法医学者や監察医の思想や考えは僕たち、死体と無縁な一般人な斬新な視点を与えてくれるのだ。