突然の雨

昨日までは、うだるような暑さの晴天が続いていたが、今久々の恵みの雨が突然激しく降り始めた。
これで少しは涼しくなってくれるとありがたいんだけどね。
短時間の雨だと、太陽の地熱で水分が蒸発して、かえって蒸し暑くなって逆効果だと思うけど、出来るだけ長い時間降って欲しいものです。
雨だけじゃなくて、おまけにごろごろと力強い雷のバックサウンドまでついているよ(^^;)

ミルの『自由論』:1

J.S.ミルの自由論を読んでいるので、とりあえず『自由論:1』と題して、時折、暇のある時にいろんな感想をアップしていこうかと思います。
ミルの『自由論』序章には、権力と自由との闘争が示されています。
自由とは、政治的権力者からの圧政や暴政に対する保護を意味するとミルは言っていて、ミルは、マルクスのように支配者階級・権力者と被支配者階級・民衆を二分法で分けています。
更には、権力者が不条理な権利侵害を民衆に対して行うならば、民衆はその権力者を打ち倒す反抗や反乱の権利を持つという事も、強引にこじつければ共産党宣言ブルジョア階級の打倒と似ていないでもない。

しかし、最も重要なのは政治権力の抑止手段として憲法を作成して公布するということでした。
19世紀的な自由主義者の理想は、立憲政治の政治体制だったともいえるのだろう。時代が流れるにつれて、権力者も単なる代替可能な行政官僚になっていくわけだし、人の権威や権力は、法の下の権威や権力に塗り替えられていく。

そして、権力の保持者は、世襲ではなく選挙による民衆の代表者となり、その権力も一時的で制限の多いものへと変質していく。
つまり、権力者は永続的な特権階級ではなく、流動的で暫時的な『国民の代表』となった。国民の代表というからには、権力者自身も国民であり、他の国民と同様に税金を納付したり、法律に従ったりする義務を負うわけです。

権力は『所有』されるものではなく、国民から『委託』されるものに変わったと言えるでしょう。
ここに至って、支配者階級・被支配者階級といった階級闘争的な政治観は時代の遺物となり、国民自らが国民を指導し規制するという民主主義社会へと進みます。
飽くまで、これは社会モデルとしての理想論で、現実と食い違っている部分は多々ありますが・・。

民主的国家(共和国)が増大してくるにつれて最大の懸案となったのは、『多数者による少数者の抑圧』でした。
ミルは、この事を『民衆の一般意志と呼ばれるものは、実際には民衆の中で最も多数を占める意志、最も活動的で意欲的な人たちの意志、多数派の意見だと思いこませる事に成功したものの意志になる』といった内容の表現で指摘しています。
民主主義社会で最も警戒すべきは『多数者の暴政』であり『多数者の誤謬』であるといってもいいんじゃないかと僕は思います。

それでは、続きはまた近い内に書きます。

アトピー性皮膚炎とステロイド外用剤

アトピーステロイド情報センター
http://www.osk.3web.ne.jp/~medinet/about.html

僕自身がアトピー性皮膚炎の苦悩の経験があることと、医学でも免疫学に強い関心を持っていることから、ステロイドの免疫抑制反応やアトピーの重症化・難治化との因果関係について時々考えている。
現在では、タクロリムスという本来は臓器移植の拒絶反応を抑制する為に使用されていた薬物が外用剤プロトピック軟膏としてアトピーに処方されている。

アトピー性皮膚炎は、医師が処方する薬剤(ステロイド、プロトピック、ステロイド系・抗ヒスタミン系内服薬)では決して完治することはなく、『漸次的な悪化を招く対症療法』に過ぎないことは経験として僕には良く分かる。

アトピー性皮膚炎の病態の本質は『免疫機能の異常による外的アレルゲンへの過剰反応』と『自律神経系のバランスの乱れ』『運動不足による免疫系・神経系への悪影響や油脂・砂糖などの栄養過剰』であるとやぶ睨みしているが、そういった研究を進めている皮膚科医学者に阿保徹、深谷元継らがいて、彼らの論文を読むと皮膚疾患と免疫系・環境汚染・生活習慣の関係がよく分かる。

いずれにしても、自己免疫系疾患の克服には、弛みなき努力と苦痛への忍耐、薬剤に頼らない精神力が必要であると考えている。副作用の強いホルモン系の外用剤・内服薬は出来るだけ使用しないにこしたことはない。
生活習慣を見直し、粗食少食を心がけ、適度に汗を流す運動を毎日欠かさずに、規則正しく生活して日光をよく浴びることでアトピー性皮膚炎の症状は緩和する。

西洋医学の限界がこういった生活習慣病にはあり、漢方を始めとする東洋医学が最近注目を集めているのも現代病のほとんどがウイルス感染や外傷などではなく、環境汚染によるものや免疫疾患、生活習慣病だからではないだろうか。