フラクタルの美と自然界のデザイン

http://www.ne.jp/asahi/h/machida/index.html

フラクタル(仏fractale)というのは、フランスの数学者ブノワ・マンデルブローが導入した幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似になっているものを指していいます。

進化生物学の形態進化に関する話や生命の起源にまつわる話などでも、この『フラクタル』の概念はよく引用されて使われるんですけど、フラクタルは人間の『美のイデア』の形成を何らかの関わりがあると考えられたりもします。
つまり、小難しい理屈を抜きにすれば、フラクタルって美しくて目を奪われてしまうもの、自然界の中に無数に見出す事のできるものなのです。

僕は宗教も信仰も持っていませんが、敬虔な有神論者であれば、美が何たるかを知る万能のデザイナーである神がフラクタルな原理に基づいて複雑な造形物を無数に創りだしたに違いないと思ったりするかもしれません。
時間のある方、心が疲れてストレスが溜まっている方は、上に貼ったリンクのフラクタルギャラリーを覗いてみるとフラクタル図形の美しさが身に沁みるのではないでしょうか。CGの進歩で、画像作成ソフトを駆使できる人ならば比較的簡単に複雑なフラクタル図形を作成することが出来るようです。

フラクタルは、単純な形の無限連鎖によって複雑な形を創り出すメカニズムで、昔からコッホ曲線やシェルビンスキーのカーペットなどとしてそのメカニズム自体は漠然とながら知られていました。
フラクタルが自然界の形態のデザイン原理であることは、有機物にも無機物にもフラクタル図形が見られるという事でも補強されます。
もっといえば、そういったミクロの視点だけではなくて、大宇宙の構造、星々の配置、惑星の輪なんかのマクロな対象にもフラクタルが見られる。
また、フラクタルは単純な関数表記によって自然の複雑さを総合的・合成的に把握する視点を提供するが、同じ物事を分析的に捉えれば複雑性と無秩序性を原理とするカオス理論に辿り着くとされている。