クローン人間産生問題


条約を断念、宣言採択へ クローン禁止で国連
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041120-00000048-kyodo-int

クローン禁止条約をめぐり協議を続けてきた国連総会の第6委員会は会期最終日の19日、全面禁止、部分禁止両派の対立が続く国際条約の策定を断念し、双方の受け入れが可能で拘束力の弱い政治宣言の採択を目指して来年2月に協議を再開することで合意し、閉会した。
 全面禁止派は、直前まで条約策定に向け提出した決議案の採決を強行する構えだったが「政治宣言」の形を目指すことで双方は歩み寄り、国際社会の分裂という事態はひとまず回避された。
 全面禁止派のイタリアが提出した宣言草案は、加盟国に対し(1)クローン人間づくりの試みと研究の禁止(2)生命科学への適用において人間の尊厳を確実に尊重(3)人間の尊厳に反するような遺伝子工学の適用を禁止する措置−−を要求している。
共同通信) - 11月20日11時20分更新

クローン人間産生が何故、人間の尊厳の侵害につながる倫理的な問題と人間関係の混乱を引き起こすのかについてもまた時間のある時に考えてみたい。

遺伝子工学の技術的にはクローン産生は、クローン人間の寿命や疾患の問題を度外視すれば十分に産生可能ですし、実際にラエリアン・ムーブメントというユニークな教義*1を持つ新興宗教集団が(事実ではないようですが)クローン産生をしたと宣言した出来事もありましたね。

*1:ラエリアン・ムーブメントの教義では、創始者ラエルが宇宙人エロヒムと遭遇した事になっており、地球の全生命は自然選択と突然変異による進化の産物によって生まれたのでも、全知全能の神によって創造されたのでもなく、宇宙人の科学者が計画的にDNAの科学的操作と合成を行って生命が地球上に作られたという事になっています。つまり、ラエリアンは、キリスト教の神やユダヤ教のヤーヴェという創造神を『地球外生命体の科学者』に置き換えて布教活動を行っているのです。私は信仰の自由を最大限に尊重しますが、先端科学と伝統宗教の合成のような新興宗教には崇高な精神性や神秘的な魅力を感じ難いと感じます。新興宗教については余り知りませんが、伝統宗教についてはいつか色々書いてみようと思います。