日中関係と靖国神社参拝問題


毎日新聞
日中首脳会談:靖国参拝明言せず 外相会談で事前に確約
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041128k0000m010115000c.html


 チリで18日に行われた日中外相会談で、町村信孝外相が李肇星外相に対し、「小泉純一郎首相は記者団に対する発言などで(今後の)靖国神社参拝を明言しない」と確約していたことが27日、分かった。これを受け、首相は21日の日中首脳会談で「中国の心配も承知している。今後、慎重に対処していきたい」と胡錦涛国家主席に伝えていたことも同時に判明した。

 首相は会談後、来年以降参拝するかどうかの明言を避けているが、外交上の調整を経た言動であることが裏付けられた。このため、参拝形式や時期などで何らかの配慮を検討する可能性が出てきた。

 町村外相は会談で、靖国問題について「今回、首相は今後の参拝について『行く』とも『行かない』とも言わない。靖国問題ばかり取り上げていては話が進まない」と伝えた。

 小泉首相は昨年10月、インドネシア温家宝首相と会談した翌日、記者団に参拝継続を明言し、中国側が反発した経緯がある。町村外相の発言には、小泉首相が中国側に配慮し、今回はこうした事態を避ける意向であることを、事前に伝える狙いがあった。

 首脳会談では、胡主席が「私は中日関係が損なわれるのを見たくない」などと参拝中止を強く要請した。小泉首相は「今日の平和と繁栄も心ならずも命を亡くした人たちの犠牲の上に成り立っており、こうした人たちへの敬意と感謝の念を持って靖国を参拝してきた」との持論を説明。参拝中止には言及しなかったが、同時に慎重に対処する意向も付け加えていた。会談翌日には記者団に「靖国の問題が出ても何も申し上げないことにした。対立することだけを取り上げてもしようがない」と述べ、参拝継続を明言しなかった。【高塚保、高山祐】

今後の協力的な日中関係構築を模索していく中で、過去の歴史認識の問題と靖国神社参拝の是非は避けて通ることが出来ません。
広大な国土と膨大な人口を抱える中国が、今後、国際社会に占める位置付けはますます重要性と影響力を増してきます。
ポストアメリカのスーパパワー(超大国)になる可能性のある中国との対立的な緊張した国家関係は望ましくないのは勿論の事、極東情勢の安定化も中国と北朝鮮の動向に大きく依拠しています。
中華人民共和国成立以前の中国・清王朝までの『眠れる獅子』であった中国が、重い瞼を開いて覚醒し、無視できない程の経済成長を遂げて、軍隊の近代化を急速に進めている今、日米同盟の原則を崩さずに日本がどう対処していくべきなのか卑近な問題に囚われる事なく大局的な視点と未来志向の思考で考えていく必要を感じます。